前も似たようなこと書いた気がするけど

引退はしても作品は残るし、

1日でも多く長く生きてもらえたらね( ´∀` )b

亡くなること以上に悲しい報告はないから( ;∀;)

どうも、トトです。



前回の『SMILE 2』に続き、

配信での今年8本目となる最新作を視聴。

こっちはほとんど情報も仕入れてなくて

先月だったかな?SNSで名前を見て

え、新作あるんや!Σ(°ω°ノ)ノ

と、監督の名前を見て驚き。

あとどれだけ新作を撮れるか…

ってくらい高齢監督ですしねぇ。

そんな自分も好きな監督の最新作。




20250322_154829
陪審員2番
(原題:Juror #2)

ジャスティン・ケンプは、身重の妻と慎ましく暮らすタウン誌の記者。
ある日、彼のもとに陪審員召喚状が届く。
担当するのは恋人をケンカの末に殺した男の裁判。容疑に疑いの余地はなく、数時間で評決に至る簡単な審理だと思われたが...。
審理が進むにつれ、実は自身が真犯人では―との疑念を抱く。





昨年末にU-NEXTで独占配信の後、

今年3/5に各サブスクにも配信された

クリント・イーストウッド監督の最新作

陪審員2番

を、アマプラ配信を機に鑑賞。

SNSで名前を見たってのがキッカケだったけど

とうとうイーストウッド作品まで

劇場公開はしなくなったんか日本は…(。-д-)-3

にも関わらず円盤は出すってのが何だかなぁ…

って思ってしまいますが(。-ω-)-3


日本における洋画事情は

数年前にも増して溜め息もんなことが増えてきてますが

いやぁ、面白かったぁ(* ゚∀゚)

イーストウッドの作品では

前回観た『クライ・マッチョ』があんまり…だったからか

久々に"当たり"キタなぁって感じで楽しめました。


その原動力の1つは、

やはり主演のニコラス・ホルトなのは間違いないでしょう。

Juror 2_4

件の裁判が進んでいくにつれて、

自身も「陪審員2番」となり、

満場一致とならない陪審団の議論を重ねていく内に

自分がやったのかもしれない…

という複雑かつ、自身でも確信しているかのような

何とも言えない面持ち、心持ちの

ジャスティン・ケンプを見事に演じていました。

Juror 2_10

確かに全編を通して

ジャスティンがケンドルを轢いた

っていう直接的な描写はないものの、

何度も挿し込まれる、事件当日の回想シーンや

状況証拠、ジャスティンの顔を見ていれば

あの日、車に当たったのは鹿ではなく…

ってのは、ジャスティン本人はもちろんのこと

見てるこちら側にも把握させられるような作り方は

巨匠イーストウッドの成せる業か。


自分が名乗り出ればいちばん早い

ってのはジャスティンもわかっていながらも、

過去にアル中で事故を起こしたことがある前科、

産まれるハズだった双子を失い、

今度こそ我が子を授かった身重の妻がいる。

Juror 2_3

手を挙げれば解決には向かう。

容疑をかけられたサイスの無罪も証明されるでしょう。

でも、それをしてしまうと

ジャスティンは終身刑の可能性は免れないし、

自分の人生ばかりか、家庭も終わらせてしまう…

そりゃ検事並に疲労もするでしょう。

何なら作中で心身共に最も疲労してるのは

他でもないジャスティンであろうことも想像に難しくない。


警察、検事も、サイスが犯人であるとの決めつけがもうね。

誘導尋問とはこういうことか

と、裁判シーンを見てて思ってしまいましたね。

と、同時に

近年のネット私刑や炎上への風刺かとも思える。

日本でも「決めつけ刑事」なんてCM流れてるしなぁ。

検事には顔芸俳優でお馴染みのトニ・コレット

役柄もあって、本作では顔芸の一切は封印してましたね。笑

Juror 2_7


サイスの無罪をずっと主張する弁護士には

クリス・メッシーナ

こちらもジャスティンが真犯人ってのを察してるから

弁護士エリックの言葉が刺さる刺さるw

Juror 2_5

他でもなくグサグサ刺さっていたのは

ジャスティンなワケですがw

最終弁論の時も、

検事フェイスが話してる時は視線も上を向いてたけど

エリックが話してる時は下向いてたのは気のせいか。

Juror 2_11

気のせいであろうとそうじゃなかろうと

正しい主張をしてるのは弁護士側だからね。

そりゃあ顔なんて上げられるワケもなく。

まして、目ぇ見て話を聞くなんて絶対ムリでしょ(´・ω・`)


陪審員の中では、かなりチョイ役だったけど

やっぱJ・K・シモンズの存在感すげぇ。

Juror 2_6

元刑事ってのもあっての洞察力と、

頼れるツテが有能すぎて、解決手前くらいまできたもんね。

陪審員が裁判以外での証拠集めや調査は禁じられているのに

それがバレてしまい、退任を余儀なくされましたが、

ジャスティン的には助かった

…っていう風に見ていいのかどうかもまた複雑。

検事側の出した"有罪"が納得いかなくて、

最後にそれでいいのかどうかを突きつけたのもgood(゚∀゚ *)

Juror 2_9

当のフェイスは、まだ意に関してなかった感はあるけど。

回答を得られなかったシモンズも

やれやれ…みたいに少し首を振って去っていきましたしね。


陪審員の中には「ケイコ」という和名の人がいましたが

福山智可子さんという

実際に日本人の俳優さんだったんですね。

Juror 2_8

役柄的にも医大の3年生だってことだったし、

フツーに20代かと思ったら、ネットで調べると

自分と3つしか違わなくて驚いたΣ(°ω°ノ)ノ

欧米人に囲まれてるから余計に若く見えたのかもだけど

いやー30代には見えんかったな(* ゚∀゚)


そういえば証言者の中でも

バーのスタッフ2人がかわいかったなぁ(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)

Juror 2_2


ジャスティンの複雑な状況がありつつも

物語は終幕に向かっていく中で、

結果はサイス有罪で幕引きとなりました。

Juror 2_1

そのあと、法廷の外で

フェイスとジャスティンの会話が本作の肝か。

真実が正義とは限らない

と、ジャスティンは言いますが

もちろん本作に限れば自己擁護的でもあり、

サイスへの罪悪感、贖罪からの言葉でもあっただろうけど

それはそれとして、そういう面もあるからな…

フェイスの検事長就任を祝福しつつも

もはや真犯人がジャスティンだと傾いてきていて

納得できかねる表情を浮かべるフェイスに対し

この件を深追いすれば
連日マスコミに追われ、検事長の席も奪われ
悪党が世に放たれる
それが本当に正義ですか?

と、ジャスティンは言って去っていきます。

法廷で戦った弁護士エリックにも

検事長就任をお祝いされながらも

「満足か?」

と、判決に対してか、昇進についてか

またはどちらもなのか

そう問われたことにも答えられず

思い悩む表情を見せる。

その結果、取った行動は…

ってのがラストシーンに繋がるのだろうな、と。

セリフなしでジャスティンとフェイスの表情を映すけど

それが物語ってるようなもんですもんね。


という締め方まで含めて、

全編余すことなく楽しめました。

近年では新作が公開されるたびに

イーストウッド最終作か?

なんて呼ばれるのも納得の御年94歳

それは自分もイーストウッドの最新作を見るたびに思うし

同時に、まだまだやってくれるでしょ(* ゚∀゚)b

という謎の安心感もあったりする。笑

裏を返せば、まだまだ良い作品を生み出して欲しい

という希望や願望の表れでもあるんだけど。

それに応えるには十分に満足した作品でもありました。

陪審員2番の感想でした。





関連記事